The Japanese Society for Ethics

第58回大会(2007年度)共通課題「老い」

第58回大会(2007年度・於新潟大学)共通課題「老い」は、現在次のように開催する予定です。

共通課題「老い」

設定の趣旨:少子高齢化社会到来の危機感が煽られ、年金や介護保険制度の改革が叫ばれている傍らで、現代の「老い」はますます多様化し、高齢者の暮らしの「格差」も拡大の一途をたどっている。そうした現在にあって、「老い」を若さや能力の減退として見切り、保健医療や人口統計の対象として扱うのではなく、その積極的な価値を掘り起こし、世代間のつながり・支え合いの倫理を再編成する作業が人文学(とりわけ倫理学)に求められているのではあるまいか。本共通課題は、古今東西の倫理思想を探究してきた本学会の叡智を結集し、「老い」の厚みと広がりを解明することをねらいとする。

【老いの伝統】
1 荻野弘之(上智大学) 「西洋思想における老いの諸相」
2 吉村均(財団法人・東方研究会) 「老いの苦と仏教――東洋の伝統から」

【老いの文学】
3 木村純二(弘前大学) 「隠遁と老い」
4 大町公(奈良大学) 「戦後日本の老いと介護――「介護文学」作品を手がかりに」

【老いの倫理】
5 天田城介(立命館大学) 「「〈老い〉の倫理学」の社会学序説」
6 黒住眞(東京大学) 「「老い」について――倫理思想史からの問い」

*詳しいプログラムについては大会報告集にてお伝えする予定です。
(課題実行委員:池上哲司、片山洋之介、川本隆史、頼住光子)