本学会には、学部卒業15年以内の若手研究者の優れた研究業績に授与・奨励される「和辻賞」があります。
本賞は、和辻哲郎初代日本倫理学会会長の寄付金10万円(読売文学賞の賞金)を基金として、1952年に設けられた「日本倫理学会賞」を前身とし、1960年に逝去した同氏を記念して「和辻賞」と改称されました。
設定当初より倫理学の若手研究者の奨励を趣旨とした50年以上の歴史のある賞です。
選考対象は、『倫理学年報』の当該年度号掲載の論文をはじめ、会員からの応募による著作および論文です(応募規定はこちら)。
本賞は、特別に優れた著作または論文に授与するものであり、選考は年度ごとに行なわれます。以前は著作および論文合同の1部門のみでした。2008年度より著作部門と論文部門とに分け、それぞれの部門にふさわしい基準に基づいて審査が行われています。
授与の決定は、和辻賞選考委員会の審査を踏まえ評議員会が行います。当年度大会の会員総会席上で受賞者の発表と授与式が行われ、会長から正賞(賞状)ならびに副賞(5万円)が授与されます。
【和辻哲郎 初代日本倫理学会会長について】
和辻初代会長は、『古寺巡礼』『風土』『人間の学としての倫理学』などの著作で知られる日本の倫理学者、文化史家、日本思想史家。その倫理学の体系は、和辻倫理学と呼ばれます。日本的な思想と西洋哲学の融合を目指した稀有な学者であり、主著の『倫理学』は、近代日本における独創性を備えたもっとも体系的な倫理学書のひとつです。